賃貸で見かけるフリーレントの役割とは？メリットや注意点をあわせて解説《上野駅前店》

賃貸物件を探していて、「フリーレント」という言葉を目にしたことはありませんか。
安く部屋を借りられるみたいだけれども、どういう仕組みなのだろうと気になっている人もいるかもしれません。
そこで今回は、フリーレントの仕組みや役割、メリットや利用する際の注意点などを詳しく解説します。

賃貸物件におけるフリーレントとは？

まずは、賃貸物件におけるフリーレントとはどういうものなのか、概要と仕組みを確認しておきましょう。

フリーレントとは

フリーレントとは、free(フリー=無料)とrent（レント=貸す）をあわせた言葉で、一定期間家賃が無料になる物件を指します。
たとえば「フリーレント1か月」の物件なら、家賃がひと月分タダになります。
フリーレントになるのは1か月がほとんどですが、なかには2か月無料になる物件もあるようです。
1か月の家賃が6万円するなら、フリーレントが1か月なら6万円、2か月なら12万円もタダになる、とてもお得な物件なのです。

フリーレントの仕組み

家賃を1か月、あるいは2か月も払わなくていいなんて、借り主にとってはお得ですが、家賃を収入としている大家さんには損なのでは？と思ってしまいますよね。
しかしフリーレントには、大家さんにもメリットがあります。
大家さんにとって、家賃収入がなくなるのは痛いことは事実です。
しかし、空室が長く続いて家賃をずっと得られないよりは、1か月家賃を無料にしても、借りてくれる人が見つかるほうが結果的には得になります。
つまりフリーレントは、契約者が見つかりにくい物件に、入居者を見つけるための対策のひとつなのです。

仲介手数料無料物件との違いとは

賃貸物件には、「仲介手数料無料」として貸し出されているものもあります。
仲介手数料は、物件を借りるときに不動産会社に対して支払うお金で、賃貸契約を結んだ際に家賃の0.5か月分から1か月分を支払うのが一般的です。
仲介手数料無料物件は、この不動産会社に支払うお金が無料となるもので、大家さんに支払う家賃が無料になるフリーレントとは意味合いが異なります。

賃貸物件におけるフリーレントの役割とは

借主側にとって、フリーレントの役割とは「初期費用の削減」です。引越しには、さまざまな初期費用が必要となります。
例えば、初期費用の中には前家賃という項目があります。
前家賃とは、前もって翌月の賃料を支払うことです。
さらに入居するのが月の途中なら、入居日から月末までの賃料を日割りにした金額も支払わなければいけません。
初期費用は他にもあります。
それは敷金・礼金です。
敷金とは、退去する時に物件の現状回復に使われる費用です。
うっかり入居中に壁を傷つけたり、壁を変色させてしまった場合など、物件を元に戻す修繕費用になります。
礼金は、古くからの慣習から貸主に対する感謝を伝えるために支払う費用です。
どちらも賃料の1か月から2か月分が設定されています。
ただし最近は、敷金と礼金がどちらも、もしくは一方が無料になったり、0.5か月で安く設定されている物件も増えてきています。

他にも初期費用がかかり、引越しに必要な費用は賃料の4-5か月です。

それの負担を少しでも減らすことが、フリーレントの役割です。

賃貸でフリーレント物件を借りるメリットと注意点とは

既存入居者の家賃を現状のままに保ちつつ、新しい入居者を見つけられる可能性が高まるフリーレントですが、入居者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

賃貸でフリーレントを利用するメリットとは

初期費用を抑えて賃貸物件を借りられる
フリーレントで賃貸を借りると、初期費用を安く抑えられることが借り主のメリットです。
本来払うはずだった家賃が、1か月、物件によっては2か月も安くなるのですからお得なことに間違いはありません。
賃貸物件を借りるときには、最初に前家賃を含めて5～6か月分の費用がかかりますが、その負担を軽くできます。
新入社員や転職したてで、最初のお給料をもらえるまではちょっと厳しい……という人でも、フリーレントなら問題がなくなります。

家賃の二重払いが発生しない
賃貸物件を借りるときには、今住んでいる物件を出るまでの間、家賃の二重払いが発生することがあります。
たとえばすぐに引越しはできないけれども、お気に入りの物件が見つかったので契約をして押さえておきたい、といった場合です。
実際に入居できるのは都合上翌月になる場合でも、物件をキープするために契約をすれば家賃の支払いは発生します。
そんなケースでも、フリーレントであればその月の家賃は払わなくてよくなります。
今住んでいる賃貸の家賃だけの支払いですむうえ、引越しの準備も焦らずゆっくりできるようになることもメリットです。

フリーレントの注意点とは

費用を抑えて入居できるフリーレントの賃貸ですが、以下のような注意点もあります。

管理費や共益費は発生する
フリーレントは、フリーレント期間中の家賃は無料になりますが、管理費や共益費も免除されるわけではありません。
ただし物件によっては、家賃のなかに管理費なども含まれていて、フリーレント期間中はすべて無料になることもあるので、契約時に確認するようにしましょう。

契約期間が決まっている
フリーレント物件は、基本的に契約期間が決まっていることも注意点です。
たとえば「2か月フリーレントする代わりに、2年間は退去しない」といった具合です。
期間を定めておかないと、たとえばフリーレント2か月の物件を3か月で退去されてしまったら、大家さんは1か月分の家賃で3か月部屋を貸したことになってしまいます。
入居者を見つけやすくするためにフリーレントにしたのに、無料期間が終わったらすぐに退去する人ばかりに住まれると問題です。
そのためフリーレント物件は、基本的に契約期間を定めているのです。

途中解約すると違約金が発生するケースが多い
契約期間が決まっているからといって、退去する自由がないわけではありません。
しかし実際に退去する際には、違約金を払うよう、契約書に定められていることがほとんどです。
たとえば「2年以内に退去した場合は、フリーレントにした2か月分を違約金として支払う」など、短期解約条項が契約書に書かれていることがあります。
フリーレントで賃貸を借りるときには、契約期間中に引越しが発生するような事態にならないかも考えておくことが大切です。

フリーレントの物件は少ない
フリーレント物件は、そもそも数が少ないことが特徴です。
初めから「フリーレント物件を借りる」と考えて探すと、なかなかいい物件に巡り会えないかもしれません。
そもそも空室が出ればすぐに入居者が決まるような人気物件は、フリーレントにする必要がないのです。
そのためフリーレント物件のなかには、日当たりが悪いなどなにかデメリットがある可能性も考えられます。
もちろんフリーレントにしている理由が、周りの似たような物件も空室が多いといった理由なら問題ありません。
気になるようなら、フリーレントにしている理由を不動産会社に確認してみるといいでしょう。

まとめ

賃貸物件におけるフリーレントの役割や、入居者にとってのメリット、借りる際の注意点などを紹介してきました。
フリーレントは、家賃が1～2か月分も無料になる、入居者にとってはとてもお得な物件です。
しかし急な転勤などで契約期間内に退去することになると、違約金が発生して結局メリットを得られない可能性があります。
また物件によってはなんらかのデメリットを補うために、フリーレントにしているケースもある点にも注意が必要です。